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第5話:油圧・空気圧の図記号について

 空気圧用電磁弁のJIS記号を主体に説明致します。
JIS記号はISO 1219-1を基に技術的な変更を行わずに、国際規格に規定のないものを追記するに止められています。 米国のANSI記号も基本的な要素は類似しており、JIS記号を理解すればANSIもお分かり頂けると思います。

 下記の図-1は直動の「2ポート単動常時閉電磁弁」、図-2は直動の「2ポート単動常時開電磁弁」を示します。 図-1の赤色部はソレノイド(電磁部)、緑色部はスプリングリターン、青色は閉弁状態を示します。 2つの四角内の記号は消磁(非通電)と励磁(通電)時の作動状態を示しています。 消磁時にはスプリングにより右側の四角の青色で示す閉弁状態になり、励磁時には電磁力により左側の四角の矢印で流れの方向を示す開弁状態となります。 図-2は四角の中の表示が左右逆になっており、消磁時にはスプリングにより弁が開き、励磁で弁が閉じることを示します。 ポートの識別記号に数字が用いられるものとアルファベット文字が用いられる製品が存在しますので、カタログまたは取扱説明書にて確認されることをお奨めします。
図-1 2ポート単動常時閉電磁弁 図-2 2ポート単動常時開電磁弁
 
図―3の三角は内部パイロット作動を示します。 電磁力でパイロット弁を切り替え、弁体に供給されている流体の圧力を利用してメインの弁を切り替えます。 尚、白抜きの三角は空気圧、塗り潰した三角は油圧を示します。
図-4は、左右にソレノイドがあり、それぞれ励磁した時の状態を表します。 この状態は消磁後も反対側のソレノイドが励磁されるまで保持されます。
図-3 2ポート単動常時閉電磁弁 図-4 2ポート複動常時開電磁弁
 
図―5は直動の3ポート単動ユニバーサル電磁弁(当社327シリーズの電磁弁)を示します。 両方向に矢印があり、流れ方向が限定されません。 配管の接続を入れ替えることにより、常時閉、常時開、振り分け(供給が1つ、出口が2つ)、混合(供給が2つ、出口が1つ)の何れにでも使用することが出来ます。 常時閉型として使用した場合、消磁(非通電)時にはPRESS.(供給)ポートが閉じ、OUT(シリンダ)ポートとEXH.(排気)ポートがつながるように配管します。 励磁時にはPRESS.(供給)ポートとOUT(シリンダ)ポートがつながり、EXH.(排気)ポートは閉じます。
図-6は内部パイロットの3ポート単動常時閉電磁弁を示します。 作動は直動と同じく、消磁時にはPRESS.(供給)ポートが閉じ、OUT(シリンダ)ポートとEXH.(排気)ポートがつながります。 但し、内部パイロット作動(当社316シリーズの電磁弁)のユニバーサルはありません。
 
図-5 3ポート単動ユニバーサル電磁弁 図-6 3ポート単動常時閉電磁弁
 
図-7は直動の4ポート単動電磁弁(当社342シリーズの電磁弁)を示します。
図-8は内部パイロットの4ポート単動電磁弁(当社344シリーズの電磁弁)を示します。 右側の三角印は弁体に供給されている流体の圧力でメインの弁を切り替えます。
スプリングが併用されている際は、スプリングかパイロットいずれかが記載されている場合もあります。
 
図-7 4方向4ポート単動電磁弁 図-8 4方向4ポート単動常時閉電磁弁
 
図-9は内部パイロットの4方向5ポート単動電磁弁(当社551シリーズの電磁弁) を示します。 赤色のT印は手動操作を有していることを示します。 数字の1は供給ポート、2はシリンダAポート、3はシリンダAからの排気ポート、4はシリンダBポート、5はシリンダBからの排気ポートを示します。
図-10は内部パイロットの4方向5ポート複動電磁弁を示します。
 
図-9 4方向5ポート単動電磁弁 図-10 4方向5ポート複動電磁弁
 
図-11は内部パイロットの4方向4ポート3位置電磁弁を示します。
消磁時は中央位置にあり、全てのポートは閉じた状態を示します。 右側を励磁すると右側のX状態に、左側を励磁すると左側の平行状態に通路が切換ります。 同じ機能を3方向電磁弁2台で置き換えることも出来ます。 尚、空気圧用3位置電磁弁は需要が少なく、種類も少ないですが、油圧用電磁弁には種々の通路を持った製品が存在します。 
 
図-11 4方向4ポート3位置電磁弁
 
メーターアウト
図-12は空気圧のシンプルな配管回路(メーターアウト)の例を示します。
消磁時はシリンダの右の部屋に空気圧が供給されロッドは引き込まれた状態です。
励磁するとシリンダの左の部屋に空気圧が供給され、右側の部屋の吸気はスピ-ドコントローラを通り電磁弁のEXH.(排気)ポートから大気に排出され、シリンダのロットが押し出されます。 その際、スピードコントローラのチェック弁は閉じ、排気量が絞り弁で制限されることによりロットを押し出す速度が制御されます。 この様に、空気圧では排気側で速度を制御(メーターアウト)するのが原則です。 空気圧は圧縮性であるために、供給側で絞ると安定した一定の速度が得られません。 特に低速ではギグシャクした動きを生じることがあります。
 
図-12 空気圧の配管回路例
 
以上基礎的なJIS記号について記述しましたが、これらの記号の意味をご理解頂き、他の記号や回路の理解のお役立てば幸いです。 
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