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第12話:HPLC低圧グラジェントと電磁弁

●HPLC(High Performance Liquid Chromatography, 高速液体クロマトグラフィー)とは
機械的に高い圧力をかけることによって移動相溶媒を高流速でカラムに通し、これにより分析物が固定相に留まる時間を短くして分離・検出感度を高くすることが特長です。分析物の注入から検出・定量までを一体化して自動的に行えるようにした装置を用いて、再現性の高い分析が比較的簡便に行えます。分析化学や生化学で頻繁に用いられ、俗に「液クロ」(高速液体クロマトグラフィーの略)と言われます。
 
●HPLCの装置構成

HPLCは、ポンプ(送液部)、インジェクター(試料注入部)、カラム(分離部)、検出器(検出部)に よって構成されています。ポンプ(送液部)はHPLCの心臓部と言える機器で、HPLCシステムの最上流に設置され、溶媒瓶中の溶媒をシステムに送液します。最大使用圧力は40MPa程度となり、更にどのような使用条件でも圧力の変動が少なく一定の流速で溶媒を送液させることが要求されます。

 
 
●グラジェント混合方式(溶媒混合方式)

アミノ酸分析のように様々な成分が含まれる場合、一種類の溶媒で全ての成分を最適に分離するのは 難しく、溶媒の組成を変化させながら分析をおこないます。これをグラジェント混合方式と言い、低圧グラジェントと高圧グラジェントの2種類の混合方式に分類されます。

  • ・低圧グラジェント
  • ポンプの前に付いている電磁弁の切り替えで溶媒の混合比率を変化させて、1台のポンプで混合させる方式です。ポンプにより圧力がかかる前に溶媒を混合させるため、低圧グラジェントと言い、通常4液まで混合が可能です。

  • ・高圧グラジェント
  • 2台以上のポンプを繋ぎ、ポンプの吸引後に溶媒を混合させる方式です。溶媒の種類ごとにポンプを用意する必要があります。

グラジェント混合方式は、溶媒の組成を変化させないで1種類の溶媒のみを送液するアイソクラティック方式に比べて、ピークの重なりやブロードを防ぎ全体の分離を改善することが出来ます。


 
●低圧グラジェントにおける溶媒濃度誤差の減少と電磁弁の役割
ポンプの吸引に同期して電磁弁を切り替えて複数の溶媒を混合させる低圧グラジェントでは、電磁弁を高速で切り替えて正確な濃度設定を実現させる必要があります。電磁弁は電気信号が入力されてから開閉動作が完了するまでに数msecの遅れが生じるため、この遅れの分だけ早く電磁弁を動作させる必要があります。しかも溶媒を混合させるために電磁弁を数台使用するため、個体差の影響も含めて電磁弁の応答遅れによる誤差の補正を電磁弁の開閉タイミングを調整することで複数の溶媒を正確に混合させる必要があります。
 
●超小形ロッカータイプ電磁弁067シリーズ

日本アスコでは、HPLC低圧グラジェントでの溶媒混合用途に適した超小形アイソレーションバルブ067シリーズをご用意しています。超小形(幅10mm)で配管の集積化が可能、微小なポンピングボリューム(内容積13μL)、熱を流体に伝達しにくいロッカー構造(内蔵のパワーセーブ回路による消費電力の低減)等の特長があり、HPLCへの採用実績をもとに、低圧グラジェントでは欠かせない電磁弁の応答遅れによる誤差の補正等に関するソリューションについてもご提供しています。

 
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